技術向上の取り組み

ソリューション・ラボ・ジャパンで年2回行っている、社内勉強会です。

過去の開催レポート一覧

社内勉強会:2021年6月25日開催レポート

ソリューション・ラボ・ジャパンで年2回行っている、社内勉強会です。部署や個人が持つ技術ノウハウや案件を通じて得た知見などを、発表を通じて参加者全員に共有することで、全社的な技術向上に努めています。
前回に引き続き今回も、新型コロナウイルスの感染リスクに配慮して、Zoomを活用したオンライン開催となりました。社内のメンバーが密集せずに受講できるほか、場所を選ばずに参加できるようになりました。

当日のプログラム

発表内容

開始の挨拶

ソリューション事業部 副事業部長 平片 才知

冒頭で、新しく技術発表会のオーナーになった副事業部長・平片から、13回目となる技術発表会の開催に即して、改めて会の目的が告げられました。
「日々の業務で得た技術の経験を共有し、今後の業務に活かす」
「他の社員が携わる業務を知り、お客様への提案の幅を増やす」
「発表者・参加者が、自分の技術を研鑽する」
次いで事業部としても、技術発表会を重要なイベントとして位置づけていることを伝えました。最後に、実施を支えた運営担当の社員に感謝を述べ、技術発表会の開始の挨拶を終えました。

アジャイルタスクチーム(取り組み計画)

ソリューション事業部 A.N 入社2年目 40代 男性エンジニア

最初の発表者A.Nは、アジャイル開発の専任チーム「アジャイルタスクチーム」の取り組み計画について発表しました。
そもそもアジャイル開発に取り組む理由は、プロジェクトはソフトウェアとその仕様が変化し続けることで、頻繁に炎上してしまいますが、こうした炎上の発生を抑えるため。これまで十分な検討準備を進めてきたことから、現在は実際のプロジェクトで実践するフェーズに移行していて、インフラ企業A社のプロジェクトで初めて、アジャイル開発を実践していくことにしました。
今回の実践目標は次の3つです。アジャイル開発では、分割した機能ごとに設計・開発・テスト・リリース、というサイクルを繰り返しますが、この開発サイクル(イテレーション)を3回行うこと。A社との契約は請負で機能範囲が決まっているため、変更管理をして作業が増えないようにすること。そして、納期を守ることです。
現在、アジャイル開発の手法でプロジェクトを進行中です。実施した結果や得られたノウハウについては、次回の技術発表会で報告します、と予告して今回の発表を終えました。

ILE RPG Webサービス連携(インターネットFAXサービスとの連携)

ソリューション事業部 S.T 入社16年目 40代 男性エンジニア

次にS.Tが、ILE RPG Webサービス連携について、技術検証(PoC)した結果を共有しました。
インターネットFAXサービスを使用している精密機器メーカーB社では、従来IBM iサーバーとの間にDominoサーバーを中継していて、IBM LEIのスクリプト機能を使用して連携していました。B社は、ここからDominoサーバーを除いて直接インターネットFAXサービスと連携できないかと考えていました。通常であれば、RPGとjavaを活用して連携するところですが、今回はIBM iからインターネットFAXサービスにRPGだけで連携が可能かを検証しました。
当該サービスにはWeb-APIがあり、FAXの自動送信や大量の送信データを早く安全に送るにはWeb-APIが最適とのことで、Web-APIとの連携に必要なアプローチや技術的ノウハウを説明しました。そして、実際にS.Tが作成したサンプルプログラムを利用して、FAX送信デモを実施。見事にFAX送信テストを成功させました。
最後に、RPGでWeb-API呼出を行うメリットとデメリットを説明したS.T。今回PoCで成果が出たことから、次は構築実装を進めたいと抱負を述べ、発表を締めくくりました。

スプールPDF化 UT400 @Tovasでの業務改善

ソリューション事業部 I.C 入社10年目 50代 男性エンジニア

I.Cからは、UT400と@Tovasの連携による業務改善について、実際の顧客事例に基づいて紹介しました。
C社では、帳票出力において専門用紙への出力作業が一部残っていました。この専門用紙への出力をやめ、ドットプリンターも廃止することで、業務効率化やコスト削減、スペース有効活用を図ることにしたのです。
この実現のためにC社が選定したのが、IBM iの基幹系帳票とアウトプットを効果的に活用できるソリューション「UT/400」と、さまざまな帳票を「電子ファイル・FAX・郵送」で送信する帳票Web配信クラウドサービス「@Tovas」です。
本プロジェクトでは、出力を指示するスプールファイルをPDF化する必要があり、それをいかにして実現したかを、ていねいに説明しました。
まとめとして、C社が希望する業務効率化・コスト削減・スペース有効を実現できたこと。自分としても、UT400、@Tovasの概要が理解できたこと、基幹のプログラムを改修せず外部クラウドサービスを活用する経験ができたことが良かったと成果を述べ、発表を終えました。

EVOLIOによる業務改善

ソリューション事業部 S.H 入社6年目 20代 女性エンジニア

Microsoft Excelに組み込んで、データベースからデータを抽出・更新するためのツールとして、当社でも顧客にサービス提供している「EVOLIO」。今回改めてその概要と活用事例について、S.Hが発表しました。
冒頭でEVOLIOの概要を説明しました。このツールの特長は、Excel上でIBM iのデータ抽出や操作が可能になることです。ほかにもEVOLIOでできることについて紹介しました。
次に、D社での実例を紹介しました。商品計画課は各工場の生産計画立案を支援するため、IBM i上のDBにあるマスター情報や在庫情報などを作業の都度手作業で抽出・展開。担当者がトレンドなどを加味して販売予測し、生産計画数を決定していましたが、その作業は属人的でした。
そこで、EVOLIOを活用したIBM iアプリケーションを構築。IBM i上の各種データを利用してIBM i側で販売予測計算した結果をEVOLIOに取り込み、担当者はExcel上の微調整だけで生産計画数を決定できるよう改善しました。またEVOLIOから直接IBM i上にあるマスターの予測係数値を変更する事で、何度も販売予測を再計算する事が可能となりました。
これにより、属人化の解消と業務の省力化に加え、販売予測結果をIBM i上で保管・再利用できるようになり、販売予測の精度向上と過去データ活用が可能になりました。D社からも評価され、追加で機能拡張のご依頼を頂くことができました。また、別のシステムでもEVOLIOを活用したいというご相談も頂いてます。
S.Hはこのプロジェクトを通じて、EVOLIO単体ではなくExcel VBAやRPGなどと組み合わせる仕組みの、開発ノウハウが得られたと感じています。最後に、例えばこのようなときにもEVOLIOで解決できる、というケースを列挙し、発表を締めくくりました。

フレームワークを使用したLANSAアプリケーション開発

ソリューション事業部 A.S 入社1年目 40代 男性エンジニア

ソリューション事業部 N.S 入社13年目 30代 男性エンジニア

LANSAはローコード開発が可能で、プログラミング言語を記述せず、ビジュアル操作でシステムを開発できるため、プログラムにかかる時間を短縮できます。また、IBM iで稼働している基幹システムの資産を呼び出すのが容易です。
そんなLANSAを活用し、当社が製造業E社向けに開発したWebアプリケーション用フレームワークが「SLYフレームワーク」です。これを使うと、さらにシステム開発が簡単になることを、A.SとN.Sが紹介しました。
はじめにSLYフレームワークのイメージや機能構成、メニュー機能などを紹介したあと、実際にSLYフレームワークを使って部門マスタの検索画面を作成している様子を披露。短い時間で簡単に画面作成できることを伝えました。
SLYフレームワークは、製造業E社向けに開発したものですが、以降も改善を重ねつつ、他社のプロジェクトにも展開・活用しています。最後に、今後も継続してブラッシュアップを続けることが、LANSA開発の敷居を下げ、技術者不足の解決にもつながると期待を述べ、発表を終えました。

Next Transformation SOL4部が掲げる持続可能な開発目標

ソリューション事業部 S.S 入社23年目 40代 男性エンジニア

発表の冒頭でS.Sは、今から10年後となる2030年の人口・環境・文化・気候・テクノロジーなどの予測を紹介し、企業は未来にどう備えるべきか、なぜ今SDGsが重要なのかを説明。ソリューション事業部も、持続可能な開発目標として、SDGsを意識して進めるべきと提言し、当社が掲げる「Next Transformation」の意義を改めて説明しました。
次にSDGsにはどのような項目があるかを紹介し、IT会社である当社がどのようにSDGsを意識した行動が取れるのか、という課題について言及。「8.働きがいも経済成長も」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「12.つくる責任つかう責任」という項目が掲げる目標と、実際に当社が取り組んでいるワークエンゲージメント向上や、業務自動化による生産性向上などを、実例とつなげてイメージできるよう、わかりやすく紹介しました。
最後に「本年度は1年を通してSDGsを意識して活動していきます。素晴らしい成果が生まれることをご期待ください」と宣言して、発表を締めくくりました。

総評

取締役 森原 達夫

まず全ての発表者、そして発表会の運営に携わったスタッフに対して、感謝を申し上げます。
発表の中にユーザーストーリーという言葉が出てきました。私たちエンジニアは、システムが正しく動くことに全意識が向けがちですが、ユーザーがどう使いたいかという視点は、構築したシステムが実際に使いやすいかどうかにつながってくるはずです。今後当社にとって、より必要な意識になると思います。
毎回この技術発表会は、自分自身の勉強にもなりますし、お客様への提案材料を仕入れる場にもなります。皆さんには、技術力を向上させるこの取り組みに、引き続きご協力をお願いいたします。
今回はいつもの発表者にまじって、初めて発表する方もいました。まだ発表したことがない方も、ぜひ次の機会には発表者になっていただければと思います。

技術発表会を終えた社員の声

他の方の発表が素晴らしく、これまであまり興味がなかったツールを、少し触ってみたいと思いました。このように、社内勉強会を通じて「発表は資料の内容だけではなく、伝え方も重要である」と改めて認識できたことは収穫でした。これにならい、次回は資料の構成や発表の仕方などを、少々変更してみたいと思います。

ソリューション事業部 S.T 入社16年目 40代 男性エンジニア

今回の技術発表会には、発表者としてだけではなく、運営側としても携わりました。想定よりもやることが多くあり、自分の発表に対して十分な準備をすることができず、当日も慌ただしい発表となってしまったことは、反省点です。全体を通じて、社内では使われることが多い技術も、自分が関わっていないと認知度が低い技術がいろいろあると改めて感じました。

ソリューション事業部 S.H 入社6年目 20代 女性エンジニア

中途入社から1年、社内向けに何かするのが初めてだったため、発表は緊張しました。他の発表者は、資料がわかりやすかったり、1つひとつの言葉をハッキリと話されていたりと、私ができていなかった部分をしっかり実行していました。次回はぜひ、資料の見やすさ、伝わりやすい構成、ゆっくりはっきり明るい声での発表を心がけたいと思います。

ソリューション事業部 A.N 入社2年目 40代 男性エンジニア

他の方々の発表は、資料がまとまっていて理解しやすかったです。一方で、自分の発表は時間に追われて、伝えたいことがちゃんと伝えられなった気がします。発表すること、他人に説明することの難しさを改めて感じました。次回は時間配分を考慮し、伝えたいことの焦点を絞って、資料を作成したいと思います。

ソリューション事業部 A.S 入社1年目 40代 男性エンジニア

関連ケーススタディ・ソリューション

今回の技術発表会と関連するサービス・ソリューションをご紹介します。

関連サービス・ソリューション

過去の開催レポート一覧