技術向上の取り組み

ソリューション・ラボ・ジャパンで年2回行っている、社内勉強会です。

過去の開催レポート一覧

社内勉強会:2020年6月19日開催レポート

ソリューション・ラボ・ジャパンで年2回行っている、社内勉強会です。部署や個人が持つ技術ノウハウや案件を通じて得た知見などを、発表を通じて参加者全員に共有することで、全社的な技術向上に努めています。
今回は新型コロナウイルスの感染リスクに配慮して、はじめてオンラインで開催しました。Zoomを活用して社内のメンバーが密集することなく受講できる仕組みを取り入れました。

当日のプログラム

  • 各発表に質疑応答時間を含む

発表内容

開始の挨拶

事業部長 森原 達夫

冒頭で事業部長・森原は、この新型コロナウイルスによる自粛期間中に、暮らしとITとの関係が大きく様変わりしたことを、さまざまな例を取り上げて紹介。今後もいっそう、人々の生活や企業の経済活動は、ITに依存する部分が大きくなっていくだろうと予想しました。
そこで、私たちもサービス事業者として、お客様のご要望に応えられるよう、ITのスキルやノウハウをみんなで共有し、高め合っていきたい。この技術発表会がその良い機会になることを期待しています、と参加者全員に自らの思いを伝えました。

Let’s バ美肉

ソリューション事業部 A.T 入社2年目 20代 女性エンジニア

まずA.Tが、インターネット界隈で流行している「バ美肉」について紹介しました。バ美肉とは、バーチャル・美少女・受肉の略語で、2Dや3Dの美少女アバターをまとい、バーチャル空間で活動することを指します。VTuberの存在とともに浸透してきました。
バ美肉には、美少女アバターとアバターと人の動きを連動するアプリ、仮想カメラとビデオ通話アプリが必要です。A.Tはそれぞれ代表的なツールを紹介。YouTubeに限らずZoomやSkype、Googleハングアウトなど、ふだん仕事で活用しているツールでも使えることを説明しました。
この経験を通じてビデオ通話アプリの設定に詳しくなったというA.T。最後に、今後もWeb会議の機会が増えそうな中、コミュニケーションツールの1つとして、バ美肉に挑戦してみてはいかがですか、と投げかけて発表を終えました。

PQ Gridライブラリによるローコード開発

ソリューション事業部 A.T 入社2年目 20代 女性エンジニア

ソリューション事業部 C.A 入社2年目 50代 男性エンジニア

続けてA.TとC.Aが、社内向けWebアプリ「利益チャート」を「ParamQuery Pro」というローコード開発プラグインで新たに実装した話を紹介しました。「ParamQuery Pro」は、美しく機能的な表が作成できるjQueryプラグインで、サマリーやフィルターなどが設定だけで使えたり、ユーザーがカラム入れ替えやセル結合などカスタムできたりする点が特長です。
「利益チャート」はこれまで、自社のビジネス区分ごとに集計した売上や原価、利益や利益率を確認できましたが、加えて、プロジェクトごとの各情報を確認できるようにリニューアル。A.Tは実際の画面を見せながら、新しい「利益チャート」の操作方法や検索方法を簡単に説明しました。
本業務と並行して2カ月間でプラグインの技術を習得し、2020年5月に一気に開発を完了。勉強しながらの作業は大変だったというA.Tは最後に、表形式を表示する際のHTMLコーディングが不要になるなどのメリットと、機能が多すぎて探すのに時間がかかるなどのデメリットを紹介し、発表を終えました。

Pythonに逃げるは恥だが役に立つ

ソリューション事業部 N.M 入社3年目 20代 女性エンジニア

次にN.Mが、多くの人が使っているプログラミング言語Pythonについて、AI開発の有効性だけではなく生産性や保守性が高いことを、実例を交えて解説しました。
1つ目の例は、お客様先で発生したシステム障害への対応として、Gitでコミットした分をFTPにアップするGUIツールの、開発と実装を4週間で、と依頼されたプロジェクトです。プログラムはPythonで書き、差分アップロードには「git-ftp」を使うことにしました。スケジュールの厳しい依頼でしたが、ほぼモジュールだけでプログラムを組むことができたおかげで、約1.5週間で本稼働させることができました。
2つ目の例は、スマホアプリのテスト自動化ツールを開発するプロジェクトです。当初はPHPを使っていましたが実装上の問題がありRubyに移行。しかし、Rubyの簡素な英語マニュアルに苦戦し、現在はPythonに移行しつつあります。Pythonは日本語マニュアルが充実していて、保守性の高さを実感しているそうです。
最後にN.Mはこれらの実例から、ゼロから開発を依頼されたときや、あれこれ自分で作ってみたいとき、Pythonは良い選択だと強調しました。

事例紹介(X社 NotesExit案件)

ソリューション事業部 Y.M 入社6年目 40代 男性エンジニア

ソリューション事業部 I.M 入社1年目 20代 男性エンジニア

Y.MとI.Mから、Notesからの脱却をはかるお客様を支援している事例を紹介しました。
製造業大手のX社様は、これまで使い続けてきたNotesの運用と将来性にリスクを感じ、複数のツールを用いて脱Notesを決断。当社はNotesDBからIntra-martへの移行対応を依頼されました。
対象となるNotesDBの数は、アセスメント前は123でしたが、効率的な開発方式を模索した結果、最終的には20に落ち着きました。2019年秋から開始した当プロジェクトは、プロパー社員と開発パートナー企業の協力を受けて、2020年7月に終了予定です。お客様がこうした開発の外部委託の経験がなかったことから、仕様の策定には非常に苦労しました。
今回の主な制作物は、ダウンロードアプリ・独自ステータス管理・Intra-mart標準ワークフローです。I.Mが、開発した画面機能を実際に操作しながら説明しました。
当面は7月の本稼働に向けて尽力することが求められていますが、今後もIntra-martに関する技術を磨き、ノウハウを蓄えることで、会社の発展に貢献していきたいと抱負を述べて、発表を締めくくりました。

大量メール送信対応事例のご紹介

ソリューション事業部 S.T 入社15年目 40代 男性エンジニア

次にS.Tから、お客様が大量にメール送信するためのプログラム構築事例を紹介しました。
生活インフラ関連事業のL社様は、これまで各契約者に毎月専用はがきで請求書を送付していましたが、印刷と送付にかかっていた費用と手間を削減するため、請求書の電子化(PDF)に踏み切りました。このことで新たに必要になったのが、請求書PDFをダウンロード可能になったことを契約者に知らせるメールの送信です。
メールを送信する契約者数は3万5000~3万7000。大量配信によるスパム判定リスクを避けるため、外部メール配信サービスを活用し、API連携で配信リストを共有することにしました。なお、API連携用のプログラムはJavaで作成することとし、プロジェクト管理には、外部サイトで集中管理されているJARを自動でダウンロードし、ローカルでビルドに使用できる「Apache Maven」を使用しました。
発表の終盤で、実際の送信メールや管理画面を披露したS.T。現在は本番リリースまであと一息であることを報告しつつ、最後まで気を抜かずに頑張りますと意気込みを述べました。

事例紹介(V社様/Q社様案件事例)

ソリューション事業部 M.R 入社3年目 40代 女性エンジニア

ソリューション事業部 S.K 入社10年目 40代 男性エンジニア

最後にLongRange開発チームから、2つの事例を発表しました。
まずM.Rが説明したのは、Felicaの社員証を活用した勤怠管理システムについてです。倉庫業V社様が使用していた勤怠管理システムは、入力情報をIBMiへ反映するのに取込処理が必要でした。そこで、取込処理が不要なLongRangeでの開発を選択。当社は開発の依頼を受け、新たな勤怠管理システムを構築しました。
この発表でM.Rは、Felicaのデータ構造やカードの読み込み・データ更新の仕組みを簡単に説明。そして、この案件を通じてFelicaの読取方法を会得できた一方で、要件によっては、LongRangeだけではなくVB.NETを組み合わせて開発する必要があることが今回の学びだったと述べ、発表を終えました。
次にS.Kが説明したのは、棚卸入力システムについてです。
照明器具メーカーQ社様はこれまで、地下倉庫で紙に実棚数を記入し、それを持ち帰って入力し直していました。その仕組みを見直し、タブレットで入力し、電波の届く場所からボタン1つでアップロードできる仕組みを構築したいという依頼があり、当社はこの仕組みをLongRangeで実現しました。
S.KはLongRangeのオンラインとオフラインの違いを説明。RPGのコードをそのまま流用しやすいオンラインとは異なり、オフラインは言語仕様を理解してコードを実装する必要がある点に触れ、オフラインのLongRangeには独自の技術者育成が必要であることを訴え、発表を締めくくりました。

総評

(代表取締役社長 内野 武美/事業部長 森原 達夫)

オンライン開催ははじめての試みでしたが、非常に良質な発表内容ばかりで、会社としての成長を感じました。また、お客様のご要望に応えていく中で、さまざまな問題に直面すると思いますが、そうした事態は、会社としてのバックアップに加えて、皆さんのノウハウを結集して乗り越えていく必要があると感じました。皆さん、よろしくお願いいたします。(内野)

各発表の感想として、手組みのプログラムではなく、ローコード開発ツールなどを活用して、お客様のご要望に応えていくことは非常に良いアプローチだと思いました。また、皆さんがプロジェクトを遂行する上で問題に直面しても、それを解決するためにさまざまな調査をおこない答えを導き出していることもわかり、お客様のご要望に高いレベルで応えられていると確信できました。
今回の発表のように、悩んで答えを導き出したノウハウを、他の人が自分の案件で活用しやすいように、しっかりと社内で共有できる仕組みが必要だと思いました。(森原)

技術発表会を終えた社員の声

仕事しながらでも横目で視聴できるよう、1スライド1タイトル本文3行までを心がけ、情報を簡潔にしました。リモートワーク中の社員も多い中、たくさんの人に視聴してもらえてうれしかったです。次回以降も、楽しんでもらえる内容で登壇したいと思います。

ソリューション事業部 A.T 入社2年目
20代 女性エンジニア

これまで開発や保守を安全にできる仕組みや効率化ばかりに目を向けていて、サービスとしてお客様に提供できるような「もの・こと」に目を向け切れていませんでした。現在は保守や改善などをおこなっていますが、今後は利益に直結することも考えていきたいと感じました。

ソリューション事業部 N.M 入社3年目
20代 女性エンジニア

初の完全リモート開催で、多くの部分が異なっていました。準備や段取りなどは改善の余地があると感じました。自分の発表を評価すると50点。準備不足な部分が多く、特にタイムマネジメントできなかったことが反省点です。次回以降は、時間を意識した発表を心がけます。

ソリューション事業部 Y.M 入社6年目
40代 男性エンジニア

他の人の発表を聞き、直面した問題に対して真摯に取り組んでいる点や、オンラインを意識して発表内容を工夫している点が印象に残りました。自分の発表は淡々と話すだけになってしまったので、もう少しゆっくり丁寧に説明したほうが良かったと反省しています。

ソリューション事業部 S.T 入社15年目
40代 男性エンジニア

関連ケーススタディ・ソリューション

今回の技術発表会と関連するサービス・ソリューションをご紹介します。

関連サービス・ソリューション

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