技術向上の取り組み

ソリューション・ラボ・ジャパンで年2回行っている、社内勉強会です。

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社内勉強会:2019年12月20日開催レポート

ソリューション・ラボ・ジャパンで年2回行っている、社内勉強会です。
今回も多くの社員が参加できるよう、外部の貸し会議室で開催。都合で帰社できないメンバー向けに、Web会議で受講できる仕組みも取り入れました。
部署や個人が持つ技術ノウハウや案件を通じて得た知見などを、発表を通じて参加者全員に共有することで、全社的な技術向上に努めました。

当日のプログラム

  • 各発表に質疑応答時間を含む

発表内容

開始の挨拶

事業部長 森原 達夫

冒頭に事業部長・森原から、この技術発表会が今回で10回の節目を迎えるにあたり、これまで準備に参加してきたスタッフや、各種テーマを発表した登壇者に向けて、感謝の言葉が贈られました。
次に、今回の発表テーマリストに触れ、新しい技術や実際の案件で使用しているノウハウまで、実に有意義なテーマが多く、ぜひ吸収してスキル向上やお客様貢献に活かしてほしい、と参加者に意義を伝えました。

IBM i 上のNode-REDとIoT、AIとの連携

ソリューション事業部 M.Y 入社4年目 20代 男性エンジニア

まずM.Yが、画面上でつないだフローを作るだけで、コーディングなしでプログラムが作れるツール「Node-RED」を使って、顔認識アプリケーションを開発した話をしました。この内容は、IBMに関わるエンジニア向けイベント「NEXT2019」で発表した内容の短縮版です。
今回開発したのは、小型PC「Raspberry Pi」のカメラモジュールが、動作検知により自動で目の前の人物を撮影し、その画像データを「Node-RED」へ送り、AIが顔判定を実施。その判定結果をDBと照らし合わせ、認証できればその人物の名前データを取得して、「Raspberry Pi」の画面に表示するというアプリケーションです。
M.Yは「Raspberry Pi」や画像認識AI、「Node-RED」の各役割を説明しつつ、どのくらい映り込んだら検知するのか、どのくらいのイベントを1枚の画像とするのかなど、設定に苦労したことを明かしました。
最後に、この開発を通じて、各種開発ノウハウの取得に加えて、IBMiの新しい使い方をお客様に提案できるようになったこと、当社の取り組みをアピールできるコンテンツを得たことをメリットとして挙げ、発表を締めくくりました。

退屈なことはGASにやらせよう

ソリューション事業部 A.A 入社5年目 20代 男性エンジニア

次に「GAS(Google Apps Script)」を活用して、社内の業務を自動化した事例を、A.Aが紹介しました。
「GAS」は、Googleが提供するサーバーサイド・スクリプト環境で、 Googleの各種サービスと連携しながら、業務の自動化などをおこなうことができます。
今回自動化をおこなったのは、保守や製品の契約をBacklogで管理している中で、契約期限が近づいたら自動でリマインドメールする仕組みです。Backlogから管理された契約データを取得し、条件に合う人がいればGmailで通知するようにしました。
自動化の効果は知りつつも、ツールが専門外のためイメージが湧かない、コストを知っているがゆえに気安く始められない、というエンジニアに向けて、まずは小さな自動化から始めましょう、と提唱したA.A。自分の業務を少しでも楽できるように、アイデアを探してみませんかと参加者に投げかけ、発表を終えました。

NEXT2019 福岡大会参加報告

ソリューション事業部 I.H 入社3年目 20代 女性エンジニア

ソリューション事業部 N.M 入社2年目 20代 女性エンジニア

IBMユーザーをはじめとする参加者が、互いに学び教え合うイベント「NEXT」。2019年10月に福岡国際会議場でおこなわれた「NEXT2019」に参加したメンバーが、共有したいセッションをピックアップして紹介しました。
I.Hが紹介したのは、次世代Web標準によるシステム統合を通じて、システム部門を改革した事例です。
さまざまな業務アプリケーションの障害頻発で、新規開発に手が回っていなかったというA社。「Web標準プラットフォームの策定と構築」「既存システムの統合」「技術標準の規定と恒久的な維持・管理のための仕組み作り」に取り組むことで、投資予算が計画の140%だったところ、40%に抑えられたそうです。
N.Mが紹介したのは、炎上案件を改善し自立型組織を作るためのコツです。
既出の運用改善事例に当てはめるだけでは一時的な解決にしかならず、再度同様の問題が発生する可能性があります。B社では、各々の思考力を育成し、リーダーシップを持ち、内部的なモチベーションを見つけることで、自立型組織を構築できたそうです。

VL-Webプロジェクト 状況報告

ソリューション事業部 K.T 入社1年目 50代 男性エンジニア

K.Tは、現在進行中の2つのプロジェクトを通じて得た、「LANSA」の活用でできることについて発表しました。
1つ目のプロジェクトは、レガシーのオープンシステム再構築です。装置の製造販売をおこなうC社では、長期運用でシステムが複雑化していて「2025年の崖」の克服が課題でした。その対策として、現行システムの可視化やパフォーマンス向上と併せて「LANSA」のフレームワークという手法を使い、画面のテンプレート化を進めているところです。
2つ目のプロジェクトは、ECサイトの再構築です。食料品メーカーのD社では、ECサイトが使いづらいため、問屋からの注文が電話やFAXに集中し、失注機会が増えていました。そこで、現在は「LANSA」のECサイト用テンプレートを用いて、分かりやすいUIを実装しています。
2つの活用例を通じて「LANSA」の対応力の広さを、改めて社内に紹介し、発表を締めくくりました。

Web Performerを用いた高速開発

ソリューション事業部 O.R 入社1年目 20代 男性エンジニア

ソリューション事業部 T.Y 入社11年目 40代 男性エンジニア

ソリューション・ラボ・ジャパンでは、高速開発手法を体系化し、今後の開発業務に適用してサービスレベル向上を目指しています。その取り組みの1つである、Webアプリケーション自動生成ツール「Web Performer」を活用した高速開発について、O.Rが社外常駐を経て得た知見をもとに発表しました。
今や多様なプログラム自動生成ツールがリリースされており、目的に合わせたツール選びが重要です。「Web Performer」は中小規模のシステム向きで、基本設計や詳細設計などの局面において、工数軽減が見込めます。
次に常駐先で学んだ「Web Performer」の長所として、データモデル参照機能により、コードマスターのように値を管理でき、ベタ書きするよりバグ発生時や修正時の影響範囲を小さくできることなど、3つのトピックを挙げて説明しました。
別業種からIT業界へ転職したばかりのO.Rは、常駐先での5カ月間を振り返り、正直初めは分からないことばかりだったものの、業務を通じて「Web Performer」のノウハウを得たことで、先輩の説明が理解できるようになったこと。また、自分のタスクを細分化して管理できるようになったことを報告し、発表を終えました。

LANSA LongRange 開発事例

ソリューション営業部 I.R 入社25年目 60代 男性営業

2019年9月におこなわれた「LANSA Forum 2019」で講演した内容を、この技術発表会でも発表しました。内容は「LongRange」を活用したアプリケーション導入事例です。
計測機器・分析機器を製造販売するE社では、販売後の計測機器の設置場所が十分に把握できておらず、保守の負荷がかかっていました。そこで、GPSによる位置情報管理を実現する新システムの構築を決断。スマートフォンでオフラインでも使用できるアプリケーションを、「LongRange」で開発することにしました。
開発期間は1カ月。オフラインゆえの問題に直面しつつも、バッチ処理などを駆使して問題を解決。無事に開発を終えました。
発表の最後に、保守作業技術者が設置場所情報を収集しやすくなった、計測機器と設置場所のデータベースが作りやすくなったという、お客様からの評価を紹介し、発表を締めくくりました。

チャットボット成果物発表

ソリューション事業部 U.T 入社1年目 20代 男性エンジニア

ソリューション事業部 H.Y 入社1年目 20代 女性エンジニア

ソリューション事業部 Y.R 入社1年目 20代 女性エンジニア

ソリューション事業部 W.E 入社2年目 20代 女性エンジニア

ソリューション4部の若手チームは、テキストや音声に対して、AIで自動的に回答するプログラム、チャットボットの開発を通じて得たことについて発表しました。
1つ目は、「IBM Watson」を活用して、当社の申請関連の疑問に答えるチャットボットを開発した話です。開発に欠かせない3つの画面、インテント・ダイアログ・エンティティの分かりやすさについて紹介。実際に開発したチャットボットのデモも発表しました。
2つ目は、「LOOGUE」を活用して、ヘルプデスクの稼働軽減と回答標準化を目指したチャットボット開発についてです。質問(Q)とそれに対応する回答(A)をアップロードするだけで利用できる簡単さについて紹介。実際に開発したチャットボットの画面を、画像で掲示しました。
最後に、開発を通じて「ユーザーの立場で開発することの大切さを学んだ」という気づきや、2つのチャットボットを実用化できた際は、管理部の負荷軽減やお客様への問い合わせ対応の品質対応につながるといった将来展望を語り、発表を終えました。

PowerAIが持つ可能性について

ソリューション事業部 S.S 入社21年目 40代 男性エンジニア

冒頭で、各企業におけるAI活用例を紹介しつつ、当社はAIを活用して何ができるのか、みなさんで考えていきましょうと投げかけたS.S。その1つの手段として、ディープラーニングおよび機械学習のためのフレームワークをパッケージ化した「PowerAI」を紹介しました。
IBMが提供する「PowerAI」は、データサイエンティストがいなくてもAI開発ができ、膨大なビッグデータを高速に処理できるという特長があります。
その「PowerAI」の中でも、特に画像解析に特化したアプリケーション「PowerAI Vision」と、テキスト・数値データの処理に特化した「Driverless AI」をピックアップし、その概要と企業による活用事例を紹介。実際の使い方についても、併せて説明しました。
最後に、当社がAIに取り組むのであれば、どのようなやり方があるかという仮説として、AIデータ連係開発やAIデータ予測サービスなどを提案。当社はAI開発者・IT部門支援・システム運用などの役割が担えるはずです、と参加者に投げかけて発表を締めくくりました。

総評

代表取締役社長 内野 武美・事業部長 森原 達夫

今回の技術発表会は10回目ということで、1回目と比べるとテーマ数も多いし、登壇してくれるメンバーに若手も増えました。かなり様変わりをしたことに驚くとともに、文化として根付いてきたことをうれしく思います。
また、今回は部門内で役立つ技術の発表にとどまらず、会社全体の効率化につながる発表もありました。私はそれを聞いていて、こうした技術を、会社全体の進展につなげていかなければと感じました。
みなさん忙しい中での発表、本当にお疲れさまでした。これからもぜひ、この技術発表会を継続・発展させていきたいと思います。(内野)

この技術発表会のレポートは、当社のITスキルをお客様にアピールしたいという思いから始めました。今後もより多くのお客様から支持を得るためには、世の中に貢献できるITスキルの研鑽を続けていることを発表していかなくてはなりません。そのためには、個人ではなくチームや部門として、新しい技術を探求しスキル向上を目指してほしいと思います。
また、今回の発表の中でシステム会社の新たな役割について触れられていました。当社もそうした方向に進むための土台はできたと考えています。しかし、システム開発力という従来の当社らしさも重要です。今後はこの2つの要素を両輪に据えてビジネスを進めていくことで、「2025年の崖」を克服していきたいと思います。(森原)

技術発表会を終えた社員の声

理解しやすく面白いものにするため、ストーリーのある発表にすることを心がけました。発表としては上手くまとめられたと思います。個人的にはマネジメント技術やデータサイエンスに興味があるので、今後はその分野について学び、次回以降また発表したいです。

ソリューション事業部 A.A 入社5年目
20代 男性エンジニア

用語は聞いたことがあるけれど普段業務で直接触れることのない題材が多く、新鮮で興味深かったです。普段別々の現場で働いている事業部メンバーが、どのような技術を学び、身に着け、活用しているのかを知ることで、視野が広がったように思います。

ソリューション事業部 I.H 入社3年目
20代 女性エンジニア

全体的にさまざまな分野について、社員が各自勉強していると感じられました。また、私自身単語としては分かっていても、その内容までは十分に分かっていない題材について、この技術発表会である程度の知識を得ることができました。

ソリューション営業部 I.R 入社25年目
60代 男性営業

自分が勉強不足・知識不足のため、みなさんの発表後に何も質問できなかったことが心残りです。次回の技術発表会からは、自分の興味があるテーマは事前に調べて、受け身ではなく積極的に参加していきたいと思います。

ソリューション事業部 H.Y 入社1年目
20代 女性エンジニア

関連ケーススタディ・ソリューション

今回の技術発表会と関連するサービス・ソリューションをご紹介します。

関連サービス・ソリューション

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