技術向上の取り組み

ソリューション・ラボ・ジャパンで年2回行っている、社内勉強会です。

過去の開催レポート一覧

社内勉強会:2018年度12月開催レポート

ソリューション・ラボ・ジャパンで年2回行っている、社内勉強会です。
今回も、部署内や個人で利用しているツールの活用事例、進めている研究の内容などを発表。ノウハウを参加者全員で共有し、全社的な技術向上に努めました。

当日のプログラム

  • 各発表に質疑応答時間を含む

発表内容

事業部長タイム

事業部長 森原 達夫

事業部長・森原による開会のあいさつは、第1回技術発表会の振り返りから始まりました。
2014年に開催された第1回技術発表会のテーマは、オープンソースの顧客管理ソフト「SugarCRM」、IBM i アプリケーション解析ツール「X-Analysis」、開発ツール「LANSA」の3つ。特に、このとき紹介された「LANSA」は社内に広く浸透し、現在は多くの社員が業務で使用しています。
ほかにも、第2回技術発表会で紹介したフリーフォーマット型「RPG」を皮切りに、S.Tがコア技術である「RPG」に関する研究発表を継続してくれたことにより、社内の生産性が高まった例を紹介。技術発表会開催の意義を、参加者全員に伝えました。

LongRange事例紹介

ソリューション事業部 T.N 入社2年目 50代 男性エンジニア

次にT.Nが、IBM i開発者のためのスマートデバイス向けアプリケーション開発ツール「LongRange」を使用し、お客様の業務改善を実現した事例を紹介しました。
倉庫業を営むA社様は、依頼主(寄託者)が販売する製品のうち、故障・返品などの理由により郵送されてきた製品を保管しています。そして、その製品を受け付ける際に、故障個所をカメラで撮影し、検品結果を依頼主へメールする業務を、手作業で実施していました。
A社様から依頼されたのは、この業務をタブレットで実施可能にするアプリ開発です。T.Nを含むチームメンバーは「LongRange」を駆使して、アプリを開発。その結果、時間がかかっていた検品結果の入力や故障個所の撮影、依頼主への情報共有も、現場でのタブレット操作により、すぐ実施可能になったそうです。
最後に、T.Nは実際に開発したツールのデモを披露して、発表を締めくくりました。

LANSA開発手法紹介

ソリューション事業部 N.S 入社10年目 30代 男性エンジニア

すでに当社内に浸透している開発ツール「LANSA」。そのversion14から追加された「VL-Web」の開発手法について、N.Sが紹介しました。
「VL-Web」はWebに特化していて、インターネット環境に接続できる環境ならば、どこでも開発ができます。ファイルI/Oはすべてサーバーモジュールでおこなうのが特徴であり、マテリアルデザインやレスポンシブデザインに対応しています。
すでに実際の案件でも活用していて、システム会社B社からの依頼で、ある飲料会社様の生産管理・販売管理システムを「VL-Web」で開発。その画面を紹介しました。
最後にN.Sは、「VL-Web」での開発を振り返り、オープン系やRPGの知識はさほど必要ないことや、高度なプログラム作成にはオブジェクト指向の理解が必要なことなど、経験に基づいた情報を共有し、発表を終えました。

NEXT2018 札幌報告

ソリューション事業部 K.S 入社14年目 30代 男性エンジニア

IBMに関連するさまざまな立場の人間が、お互いに学びつつ、教え合う集中研修プログラム「NEXT」。2018年11月に北海道・札幌でおこなわれた「NEXT2018」の様子を、K.Sを中心とする参加者チームが発表しました。
今回の技術発表会においては、各参加者による参加報告を時間の都合上割愛し(実際の参加報告はイントラサイトに記事として投稿)、参加したセッションやブースなどから「共有したいこと・キーワード」をピックアップして紹介しました。
紹介されたのは「働き方改革とツール(パッケージ)の関係性」「RPA」「モチベーション3.0」といった時事性の高いテーマばかり。なぜそのキーワードに興味を持ったのか、当日どのような話があったのかなどを各自が発表し、興味を喚起した上でイントラサイトの記事閲覧を促しました。

時短社員のBacklog活用術

ソリューション開発3部 S.A 入社6年目 20代 女性エンジニア

出産後に時短勤務で復職したS.Aは、時間的制約の中で成果が求められること、作業をコントロールすることの難しさを実感しました。そこで働き方改革の骨子となる、作業効率化・作業や成果の見える化・属人化排除の3点を、プロジェクト管理ツール「Backlog」、バージョン管理システム「Git」、テキストエディタ「Atom」を連携・活用することで実現。その手法を紹介しました。
まず、機器メーカーC社様のプロジェクトで実践している「Backlog」活用によるコミュニケーション促進、スケジュール把握、経験/知識の集約などの効果を説明。加えて「Git」との連携による効率化、保守とバージョンアップの並行作業の実現、「Git」と「Atom」の連携によるさらなる効率化手法などを紹介しました。
こうした取り組みにより、自分が関わる保守作業における予定と実績のギャップを、10%以内に抑えることができました。最後に、wikiなどさらなるツール連携により、コスト削減を図るという今後の目標を話し、発表を締めくくりました。

失敗事例から学ぶRPA活用

ソリューション事業部 K.F 入社2年目 50代 男性エンジニア

次にK.Fから、現在携わっているIBMユーザー研究会が進めている、RPAの研究について報告しました。
大幅なコスト削減やホワイトカラー業務の代替など、多くの成功事例が報告されているRPAですが、実は失敗事例も多く、失敗から気付くことは少なくないようです。研究会ではこうした失敗事例に着目し、研究を進めています。
これまでにどのような失敗事例が報告されているのでしょうか。例えば、変数の宣言をするタイミングを誤ると、いつまでもエラーが解消されないことがあります。また、数値だけを取得したくても、単位まで含めた文字列として認識してしまい、思い通りにデータを取得できないことも。
こうした失敗事例を基に、運用担当者の負担を未然に軽減するための施策として、研究会では「次こそは失敗しないRPA導入ヘルパーガイド」の作成を目指しています。また、「RPAを部品化する」という新しい考えに基づいた研究も進めていることを報告し、発表を終えました。

Raspberry Pi入門 カメラモジュール編

ソリューション開発3部 M.Y 入社3年目 20代 男性エンジニア

休憩をはさんでおこなわれた発表では、M.Yが紹介する小型PCにみんなの注目が集まりました。
小型PCの名前は「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」。もともと子どものプログラミング教育向けに作られたという「Raspberry Pi」は、低コスト・省電力・OS使用可能などの特長があり、IoTとの相性も非常に良いそうです。なお、この発表のスライド投影も「Raspberry Pi」でおこなわれました。
専用のモジュールも多数開発されており、さまざまなことが実現できる「Raspberry Pi」。今回M.Yは、その魅力を伝えるため、カメラモジュールを利用した2つのプログラムを実装しました。1つは動くものを検知して撮影する監視カメラ機能。そしてもう1つは、撮影した画像が何色かを判別する機能です。2つの機能ともにデモを実施。どちらも意外と精度が高く、多くの参加者が驚いていました。

RPGによるREST API作成の一例

ソリューション開発2部 S.T 入社12年目 40代 男性エンジニア

2015年の技術発表会で、RPGプログラムからWeb APIを利用するための手法の一例を紹介したS.T。今回は逆に、RPGでWeb APIを作成し、IBM iの外部から利用してもらうための一例を紹介しました。
RPGで書かれたサブルーチンを、プラットフォームやプログラミング言語を問わず、簡素で一貫性のある単一のインターフェースを通じて利用するには、RPGをWeb APIとして公開することが必要です。今回はその方法として「XMLSERVICE」を取り上げました。
「XMLSERVICE」はオープンソースのRPGで、Java、PHPなどのフロントエンド言語は必要ありません。シンプルなHTML/XMLのみを使用し、ほぼすべてのIBM iマシンで実行可能です。
この後、S.Tはサンプルプログラムによるデモを実施。最後に「RPGを5250アプリケーション専用として使うのはもったいない。Web APIでさらにRPGを活用しましょう」と訴え、発表を終えました。

RPAテクノロジーズ

ソリューション開発4部 W.E 入社1年目 20代 女性エンジニア

ソリューション開発4部が取り組んでいるRPAについて、代表的なツール「BizRobo!」「UiPath」の使用感を中心に発表しました。
まずS.Sから、RPAを構成する技術的な3要素「Webスクレイピング技術」「デスクトップオートメーション」「画像認識・座標認識」について解説。続けて「BizRobo!」「UiPath」のツールの特長を説明しました。
次に新入社員であるW.Eが、配属されたお客様先D社での「BizRobo!」習得から実際の案件でのロボット開発に至るまでの、具体的な取り組みについて発表。FAX送信ロボやPOSデータ転記ロボの開発に携わってきたことで感じた、「BizRobo!」の魅力や課題を、時系列に沿いながらわかりやすく説明しました。
そして、M.SがFAX送信ロボのデモを実施。最後に「BizRobo!」と「UiPath」で同じプログラムを作成した際の比較などをS.Sが述べ、発表を締めくくりました。

社内IBM i環境(POWER9)についての報告

ソリューション開発1部 K.A 入社7年目 20代 男性エンジニア

2018年4月からソリューション開発1部が取り組んできた、POWER9による開発機の導入が終了し、2018年11月に社内リリースしました。そうしたインフラ環境についての社内の認知度を高めるため、K.Aが登壇しました。
POWER9とは、IBM iの最新サーバー基盤にも搭載されているプロセッサー。従来のPOWER7による開発環境のパフォーマンス不足や、既存ハードウェア保守終了が迫り現存環境の資源が枯渇していた、などの状況を改善するため、導入に踏み切りました。
これまでPOWER7の環境では、LPAR#1のパフォーマンスが落ちると、別のLPARのパフォーマンスにも影響が及んでいました。しかし、POWER9の環境になり、個々のLPARが独立。LPAR#1のパフォーマンス低下の影響を、ほかのLPARが受けなくなりました。また、VIOS側でRAID構成を実施しているため、ディスク故障時でも稼働の安定性を高めることができました。
最後に、機器のマシンパワー向上に伴い、マシン室の稼働音がうるさいかもしれませんがご容赦ください、と参加者にお願いをしました。

総評

代表取締役社長 内野 武美・事業部長 森原 達夫

みなさんの発表を聞いて、ここまでツールを使いこなしているのかとたいへん驚きました。今後、ぜひ普段の業務に活かしてほしいと思います。
技術や製品はスパイラルを繰り返しながら、発展していきます。日々変化していますので、こうした機会にみなさんで情報を共有することは非常に大切です。忙しいとは思いますが、次回の技術発表会でもぜひたくさんの発表を聞かせてください。そうすれば、きっと会社がますます活性化していくことでしょう。(内野)

技術発表会は、個人の知識を会社の知識にする絶好の機会です。今回も多くの知識を会社の財産にすることができました。発表者してくれた人たちには感謝します。次回以降もぜひ、積極的に参加してほしいと思います。
また、今は社内で開催していますが、将来はお客様をお招きして開催することも視野に入れています。次回以降もぜひ全員でスキルアップしていきましょう。(森原)

技術発表会を終えた社員の声

普段関わりのない社員の活動を知ることができ、毎回刺激を受けています。自身の担当するタスクですぐに適用できるTIPSも得られたので、大収穫でした。自分の発表については、伝えたいことは表現できたので及第点を取れたかなと感じています。

ソリューション開発3部 S.A 入社6年目
20代 女性エンジニア

少し前まではIBM i、RPGを中心としてその他プログラミング言語といった感じでしたが、今年あたりから最新技術やツール活用など多岐にわたる発表が多くなったと思います。Raspberry PiやRPAは、今後の当社において重要な存在になる可能性もあるため、しっかりと動向を把握しておきたいと思います。

ソリューション事業部 N.S 入社10年目
30代 男性エンジニア

プロジェクト事例や開発ツールの紹介、管理ツールの利用に関する工夫や社外の研究会での活動など、多種多様な発表を聞くことができました。どの発表もとても興味深く、自身の業務にも活かせる内容もあったので有意義な時間を過ごせました。次回は事例や現在扱っているパッケージに関して発表し、社内に情報発信していければと思います。

ソリューション事業部 K.S 入社14年目
30代 男性エンジニア

正式配属されてからRPAをメインに開発をおこなっているので、他の技術を学ぶ貴重な機会でした。また大勢の前でプレゼンをする機会はなかなかありませんので、かなり緊張しましたがとても良い経験になりました。みなさんの発表を聞いて、発表する際の話し方と、成果物(デモ)の見せ方を学ぶことができました。

ソリューション開発4部 W.E 入社1年目
20代 女性エンジニア

関連ケーススタディ・ソリューション

今回の技術発表会と関連するサービス・ソリューションをご紹介します。

関連サービス・ソリューション

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