技術向上の取り組み

ソリューション・ラボ・ジャパンで年2回行っている、社内勉強会です。

過去の開催レポート一覧

社内勉強会:2018年度6月開催レポート

ソリューション・ラボ・ジャパンで年2回行っている、社内勉強会です。
今回は通常の内容に加え、単語や文節の出現頻度や共出現の相関、出現傾向、時系列などを解析して有用な情報を取り出す技術、テキストマイニングモーダルウィンドウで開きますにも取り組みました。

当日のプログラム

★が付いている発表には、関連サービス・ソリューションをご紹介しています。

  • 各発表に質疑応答時間を含む

発表内容

★国産メインフレーム機→IBM i COBOLコンバージョンプロジェクト 事例発表

ソリューション開発1部 S.T 入社3年目 50代 男性エンジニア

社内勉強会はS.Tの発表で幕を開けました。テーマは、大手製造業グループ会社X様のシステムマイグレーションの事例です。
X様の要件は、現行メインフレームシステムから「IBM i」への移行。「COBOL、COBOLⅡ」から「IBM i COBOL」へ移行する対象資産の本数は約4600本、新規作成機能は約80本、対象ファイルは約1700個と、比較的規模の大きいプロジェクトでした。この分野を得意とするビジネスパートナー企業の協力のもと、プロジェクトを推進しました。
S.Tは、コンバージョン・プロジェクトにおける作業の進め方を詳しく説明。現行のシステムを調査分析して作業方針を固め、変換ツールのパイロット版を作成して機能を検証し、量産に向けた設計後に再度パイロット版を作って検証。その結果に基づいて量産変換と単体テストを実施、という手順で進めたことを発表しました。
そして、「これだけ大規模なシステム移行プロジェクトでしたが、サービスイン後も大きなトラブルは発生せず、お客様の目的達成に貢献できたことをうれしく感じています」とS.Tは述懐しました。
最後に、本件を通じてマイグレーションの全体の進め方を理解できたので、今後類似案件があれば提案から参画したいと話し、発表を終えました。

Vagrant + Ansible による開発環境自動構築について

ソリューション開発1部 K.A 入社6年目 20代 男性エンジニア

次にK.Aが「Vagrant」と「Ansible」という2つのソフトウェアを利用した開発環境の自動構築について発表しました。
これまで開発・テスト環境の構築には、大きな手間と時間がかかっていました。また、環境を構築した後でも、さまざまな原因により問題が発生し、開発が進まなくなることもしばしば。そこで、開発環境の構築を自動化することで、手間の削減や問題の解消ができないか挑戦しました。
まず始めに、使用したのは仮想マシン管理ツール「Vagrant」。ホスト型仮想化ソフト「VirtualBox」と組み合わせることで、仮想マシン上で開発環境を構築。ホストPCに依存しない開発・テスト環境を構築できました。
次に「Vagrant」と構成管理ツール「Ansible」を組み合わせることで、開発環境を自動で構築。必要ソフトのインストールだけで環境構築を自動化できることを紹介しました。「これまで数時間ないし半日かかっていた環境構築が、約5分で終了します」とK.Aは強調しました。

IBM i セキュリティークイズ

ソリューション開発2部 S.T 入社12年目 40代 男性エンジニア

ここまでの、登壇者の発表を聴講する形から一変し、勉強会に集まった社員に向けて、S.Tから「IBM i」のセキュリティーに関する10問のクイズが出題されました。
例えば「サービスで利用されるユーザープロファイルに指定すべき属性はどれ?」、「機能制限 – LMTCPB(*PARTIAL)として構成されたユーザーは、コマンドラインでコマンドを入力できる?」など。ほかにも、パスワード規則やユーザークラス、特殊権限やスプールファイルなどに関する、高難易度のクイズが続きました。
集まった社員の多くは悪戦苦闘しながらも、すぐに正誤が判明するクイズ形式のおかげで、すぐに知識を深めることができていた様子でした。
セキュリティーレベルという点でも高く評価されている「IBM i」。その高度なセキュリティー機能について、開発者もぜひ知っておいた方が良い、とS.Tは訴え、笑顔の絶えないクイズの時間を終了しました。

IoTとRPAについて

ソリューション開発3部 T.Y 入社9年目 40代 男性エンジニア

休憩を経て、ソリューション開発3部のT.Yが「IoTとRPAについて」というテーマで発表しました。
この発表における主役は間違いなく1台のドローンでした。T.Yは持参したトイドローン「Ryze Tello」を会議室内で試験飛行させ、手ごろな価格で購入できるドローンながら、良画質な動画転送が可能であることを紹介しました。
ドローンはすでに農業や物流、測量や監視などにも活用されていることを紹介。このことからIoTの進展が進んでいることをうかがわせました。
次に「Ryze Tello」の特長であるプログラミング機能を紹介。スクリプト次第で自動飛行も可能であることから「RPAに通ずる技術だ」とT.Yは訴えました。
ただ、スクリプトで簡単にプログラミングできる一方で、うっかり無限ループに陥る可能性もあるとのこと。強制終了の仕組みを考えておく必要があるという、通常業務にも役立つ教訓が得られたと話し、発表を終えました。

Backlog推進 「保守作業報告書のシステム化」

ソリューション開発3部 M.Y 入社3年目 20代 男性エンジニア

次は、保守サービス業務の自動化について、ソリューション開発3部のM.Yが発表しました。これまで、保守担当者はExcelやWordなどを使用した、手作業での保守作業報告書の作成に、多くの手間を費やしてきました。書類自体は重要な役割を果たしているため、ソリューション・ラボ・ジャパンとしては何とか作成時間を削減したいという思いがあり、今回のシステム化プロジェクトの立ち上げに至りました。
システム化を担うのが、プロジェクト管理ツール「Backlog」です。VPNに入らず使えることや、お客様が直接インシデントを起票でき常時関係者で最新の情報を共有できることを評価しました。
現時点で、プロトタイプとして指示画面から必要な項目を入力または選択し、「出力」ボタンクリックするだけで保守作業のチケットから月次の報告書を自動で作成・出力できるアプリケーションを開発したことを報告しました。従来はこの作業を手作業で転記・集計していたため、手間がかかっていただけではなく、集計ミスが発生するリスクもあったのですが、この点の解消が期待できます。
Backlog推進プロジェクトに参画しているM.Yは、ここから実用化に向けて調整を続け、社員の作業負担軽減を目指して活動していくことを報告し、発表を締めくくりました。

aXes によるワークステーション管理

ソリューション開発2部 S.K 入社3年目 40代 男性エンジニア

ソリューション開発2部S.Kの発表テーマは「aXes によるワークステーション管理」です。「aXes」とは、IBM i のアプリケーションを短時間でWeb化できるツールのこと。ある企業様に対して「aXes」を活用してシステム環境を構築した際の経験を基に、得られたノウハウについて報告しました。
当初は、ワークステーションへのセッションを自動で作る「ALOHA」というツールを活用し、管理者が設定したアイコンをユーザー端末に配布し、サインオンを自動化することを提案しました。しかし、お客様からは「Webシステムなのだから、どこからでもアクセスしたい」「端末に依存したくない」「ユーザー配布は面倒」などのご要望をいただきました。
そこで、ユーザーが接続するURLは1つにし、自動で端末ID付きのURLへ遷移させる方法を提案。お客様の合意を得ることができました。「セッションIDや端末IDは見落としがちなので、今回の経験はとても勉強になった」とS.Kは語り、発表を終了しました。

★開発事例:食肉加工販売業様 売上計上業務の改善

ソリューション開発4部 T.H 入社28年目 50代 男性エンジニア

ソリューション開発4部のT.Hは、食肉加工業者N様が保有する寄託デポの出荷業務において、新たに開発したシステムで売上計上業務を改善した事例を報告しました。
大手コンビニチェーンや外食チェーンの倉庫へ先に品物を納入し、お客様が倉庫から各拠点へ出荷した時点で、売り上げを計上するという出荷方式を採用するN様。今までは専用Webサイトから出荷実績をダウンロードし、売上帳簿を作成し手動で在庫ロットから引き当てるなど、一連の売上計上業務に大きな手間がかかっていました。
そこで、出荷実績のダウンロード後、そのデータを IBM i(AS/400)に取り込んでから自動で売上確定するという流れをご提案。大幅な業務負担軽減につなげることができました。
「今回は、特に目新しい技術を活用して開発したアプリケーションではありませんが、新たに稼働したシステムにより、お客様業務工数の大幅な削減につながり、お客様が推進する働き方改革に貢献できたこと。そして、SoE(Systems of Engagement)構築に携わることができたことは、自分に取って良い経験になりました」とT.Hは最後に感想を語りました。

総評

事業部長 森原 達夫

この社内勉強会は、回数を重ねることでどんどん充実度が増していると感じています。みなさんには勉強会で見聞したこと、経験したことを、心にとどめていただき、仕事で困ったときの対処などに役立ててほしいです。
今後も、この社内勉強会を続けていきたいと考えていますが、Web会議など場所にとらわれない開催方法もあるのではないかと考えています。発想を切り替えて、働き方改革にもつながるような勉強会を、いずれは開催していきたいですね。

技術発表会を終えた社員の声

今回初めて参加しました。発表者としては自分のプロジェクトを振り返ることができ、そのプロジェクトから何を学び、何を失敗したかを改めて見直すことができました。また、聞き手としてはいろいろと新しい発見や気付きがあり、とても有意義な発表会であると思いました。

ソリューション開発1部 S.T 入社3年目
50代 男性エンジニア

インフラ基盤側に関する技術の発表は、アプリケーション開発者にとって、外国語を話しているように感じます。そこで、構成図を絵とアニメーションで表現し、何とかアプリケーション開発者にもイメージしてもらえる発表にしたかったのですが…。まだまだ精進が必要です。

ソリューション開発1部 K.A 入社6年目
20代 男性エンジニア

ソリューション・ラボ・ジャパンではさまざまなことに取り組み、技術を発展させていることを改めて知り、とても刺激になりました。また、みなさんの発表を聞き、プレゼンテーションについても勉強になりました。今回の発表を踏まえて、次回はより良い発表をしたいと思います。

ソリューション開発3部 M.Y 入社3年目
20代 男性エンジニア

発表内容のアピールポイントが、伝わりやすいかどうかに気を付けて資料を作成しました。発表後には質問もありましたし、適切な回答もできましたので、自分としてはまずまずだったと思います。次回以降も、新技術の見聞を広めることと、他者の発表の良い点に着目して、吸収したいと思います。

ソリューション開発4部 T.H 入社28年目
50代 男性エンジニア

関連ケーススタディ・ソリューション

今回の技術発表会と関連するサービス・ソリューションをご紹介します。

関連サービス・ソリューション

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