技術発表会:2026年4月11日開催レポート

ソリューション・ラボ・ジャパンで年2回行っている、社内勉強会です。

開催レポート一覧

ソリューション・ラボ・ジャパンでは、年に2回、社員主体による技術発表会を開催しています。
本発表会では、システム開発事例や最新テクノロジーに関する知見を共有し、全社的な技術力向上を目的としています。

今回の発表会は、当社恒例のマネジメントガイドライン(期首キックオフミーティング)の午前の部として開催され、6チームが参加しました。
各チームがそれぞれの技術やプロジェクトについて発表を行いました。

技術発表会史上初ではないかと思われる約200名の参加者を前に、各チームは緊張感のある雰囲気の中、約2時間にわたり発表を繰り広げました。
各事業部における技術やDXの取り組みなど、多くの学びを得ることができました。

今後も社員一同、さらなる技術力向上を目指して、継続的に取り組んでまいります。

当日のプログラム

※機密保護等の観点から一部の発表内容は社外への公開を控えさせていただいております。ご了承ください。

発表内容

SAP基礎学習の現在地 ~資格学習から実案件参画まで~

製造ソリューション事業部 K.A 入社3年目 20代 エンジニア

本発表では、社内SAP基礎学習プログラムの第1期受講者として学習を行い、
その後SAP S/4HANAの実案件に参画した経験を通じて、事前学習と実務のつながり、そして実務で見えた課題と成果について共有しました。

近年、S/4HANA案件の需要が高まっています。こうした状況の中で案件参画前に基礎的なSAP理解を揃えておくことが、品質や立ち上がりの観点から重要だと考えています。
こうした背景から、案件参画前に共通の基礎知識やSAP標準の考え方を身につけることを目的として、資格学習を一つの軸としつつ、実案件を意識したSAP基礎クラスが立ち上がりました。

基礎クラスでは、SAPの基本概念や代表的なモジュール構成(FI、CO、SD、MMなど)、標準業務フローを中心に学習を行い、案件参画時に、業務・標準機能・用語を共通言語として理解し、現場で主体的に"学べる状態"を作ることをゴールとしていました。

実案件では、本発表者は販売管理(SD)領域を中心に経験しました。
受注・出荷・請求といったSDの基本フローだけでなく、MM・FIとのデータ連携や、標準機能・アドオン機能の違いを意識しながら業務に携わることで、SAPを「画面単位」ではなく「業務フロー全体」として捉える必要性を強く感じました。

一方で、資格学習を終えた段階では、実務に入って初めて気づく理解の浅さや、業務全体像との結びつき不足があることも認識しました。
これらは個人としての課題であると同時に、業務フローや設定・テーブルを意識して捉え直すきっかけとなり、理解を深めるための重要なステップとなりました。

半年間の案件参画を通じて、業務フロー起点で考える習慣や、画面操作だけでなく設定・テーブルを確認する視点が身につき、事前学習で得た知識が実務と結びついて理解できるようになりました。資格学習は実案件への「入口」であり、実務の中で初めて知識が立体的に理解できるという点を実感しています。

本発表が、これからSAPを学ぶ方や、SAP人材育成を検討されている方にとって、学習設計や育成の一助となるとともに、SAPに関わる企業様との知見共有のきっかけとなれば幸いです。
 

AWSの自動化について

第2サービス事業部 H.K 入社17年目 50代 エンジニア / K.M 入社12年目 40代 エンジニア / Y.H 入社5年目 20代 エンジニア / Y.N 入社4年目 30代 エンジニア
         R.K 入社4年目 20代 エンジニア / K.U 入社4年目 20代 エンジニア / T.I 入社1年目 20代 エンジニア

今回の発表では、AWSのインフラ構築自動化とIBM iとの連携について報告しました。

まず、AWS CloudFormationを活用することで、これまで手動で行っていた環境構築をコード化(IaC)
しました。これにより、EC2インスタンス、S3ストレージ、そして監視機能であるCloudWatchの作成を
一貫した設定で迅速かつ正確に実行できるようになりました。

従来の手動構築と比較した工数検証では、作業時間を大幅に短縮できただけでなく、設定ミスによる
手戻りも防止でき、業務効率化における高い効果を確認できました。

また、IBM iとの連携においては、CLI等を利用してAWS上のリソースとデータをやり取りする手法が
今後期待できます。
これにより、画像にあるようなS3へのバックアップといった新たな選択肢が生まれ、既存の運用に
クラウドの柔軟性を容易に組み込めるようになります。

運用設計・セキュリティ・コスト最適化など実案件では必須となる領域の深掘りが今後の課題です。
今後も自動化技術を追求し、実業務へのさらなる貢献と知見の共有に努めて参ります。
 

IBM BobとTOBiでILE-RPG開発の全自動化を試みる

第1サービス事業部 T.S 50代 エンジニア

昨今、プログラミングにおいても生成AIの活用が盛んにおこなわれている中で、ついにRPG開発用のAIコーディング・エージェント IBM Bob (https://bob.ibm.com/) が登場し、2026年3月24日より一般提供が開始されました。
一般提供に先立って、今年初めに早期アクセスの募集がありましたが、私は運よく少しの間だけBobに触れることができました。
今回は、その際に行ったコード生成機能の検証の様子を、動画として発表しました。

動画の中でBobに実行してもらったことは次のとおりです。

【物理ファイル作成】
・物理ファイルのDDS
・物理ファイルのRules.mk更新

【サービスプログラム作成】
・作成した物理ファイルへのCRUD処理用SRVPGM
・上記SRVPGMのRules.mk更新
・作成した物理ファイルの検索用SRVPGM
・上記SRVPGMのRules.mk更新
・BNDDIR作成用疑似CL

【物理ファイルメンテナンスアプリ(5250)作成】
・一覧表示画面のDDS
・一覧表示画面のRules.mk更新
・一覧表示PGM
・一覧表示PGMのRules.mk更新
・編集画面のDDS
・編集画面のRules.mk更新
・編集PGM
・編集PGMのRules.mk更新

動画の中で私は実際に「日本語による指示」「作業の承認」「プロジェクトのビルド」のみを行って5250アプリを完成させています。
これは、IBM Bobの性能もさることながら、VSCode拡張機能である「IBM i Project Explorer (https://ibm.github.io/vscode-ibmi-projectexplorer/#/)」とIBM i上のビルドツール「The Object Builder for IBM i (TOBi) (https://ibm.github.io/ibmi-tobi/#/)」の効果も非常に大きいです。
これらのツールを組み合わせることで、RPG開発の品質や生産性を飛躍的に向上させられる、と感じました。
ただし、日本語環境への最適化が不十分と感じる部分があり、これは今後の改善に期待したいところです。

今後はIBM Bobの正式版を購入し、検証作業を続ける予定です。
 

z/OSMF概要

第2サービス事業部 M.K 入社14年目 50代 エンジニア

ゼロからのメインフレーム

メインフレームは、企業の基幹業務を担う、絶対に停止できないシステムで使用されています。
基幹業務の例としては、「金融」・「運輸」・「カード」・「製造」などのシステムが挙げられます。

メインフレームのメリットとデメリット

メリットとしては、
「止まらないことを前提とした高信頼性」
「大量トランザクション処理に特化した性能」
「強固なセキュリティ」
「長期互換性と資産継承」
「運用の一貫性と自動化」
が考えられます。

一方、デメリットとしては、
「コスト構造の重さ」
「技術者不足と属人化リスク」
「閉鎖的なシステム構造」
「開発・運用のモダナイゼーションが難しいこと」
「移行・統合が難しいこと」
が挙げられます。
 

z/OSMFとは

メインフレームのデメリットを克服すべく、z/OSMFは誕生しました。
z/OSMFの目的は、「z/OSの運用・管理をブラウザベースで行える統合管理フレームワークの提供」、「従来のTSO/ISPF中心の操作をGUI化し、作業効率・標準化・自動化を促進すること」、そして「新人やメインフレーム未経験者でも扱いやすい操作体系を提供すること」です。
z/OSMFを有効活用することで、メインフレームのデメリットを克服し、若手技術者の参入促進や、メインフレーム技術者のワークロード軽減にも繋がっていくのではないかと期待されます。
 

PVSにおける保管方法の変化と対応

第2サービス部 H.K 入社4年目 20代 エンジニア

「PVSのクラウド環境では物理テープへの保管ができない」。
このことは至極当然のことでありながらも、"データの保管"という、システム更改のデータ移行手段としても普段のシステム運用でのバックアップ方法としても必須である作業のやり方を変更しなくてはいけないことを意味します。

オンプレミス環境からPVS環境への移行を検討する際には、「では今後どの保管方法を採用するべきなのか?」という判断が求められ、この答えはお客様・システムごとに変わります。

昨年度のタスク活動を通して私たちは、その判断の一助となる知識・情報を収集すべく、PVS環境で使用できる保管方法のうちの3つをピックアップして実環境での確認と検証を実施しました。

発表では、①SAVFをFTP転送でWindows環境に保管する方法、②SAVFをQNTCファイルシステムでWindows環境に共有する方法、③SAVFをiCOS環境にコピーして保管する方法についてそれぞれの保管手順とメリットデメリットをご紹介した上で、今回おこなった検証の範囲内での各保管方法の評価についてまとめました。

今後も引き続き、特に運用面での特徴についての深堀やAWSなどの他システムとの連携といった検証をしていければと思います。
 

工場IoTデータ基盤づくりから見えた、DXと私たちのリスキリング

事業推進本部 DX推進部 N.Y 入社1年目 40代 エンジニア

1. DXとDXマインドの定義

まず、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、単なるシステムの導入ではなく、デジタル技術を活用してビジネスや業務のあり方そのものを根本から変革することを指します。そして、この変革に対して主体的に考え、行動しようとする姿勢が「DXマインド」であると定義されています。
DX市場は今後も拡大が見込まれますが、わが社においては実績の少なさが課題となっており、DX推進部では「社内DXの推進」と「社外DXの支援」の2軸で、実績の積み上げと変革を加速させています。
 

2. 食品製造業A社様での具体的取り組み

DX推進部が取り組んだ社外支援の事例として、食品製造業A社様での「IoTデータ活用基盤の構築」を紹介しました。

■ 現場が抱えていた課題
工場のスマート化(省エネ、品質管理向上)を目指す中で、以下の3つの大きな課題がありました。
・データ基盤の未整備: データの蓄積・管理の仕組みが不完全だった。
・データの品質不良: 取得データに欠損値や異常値(ノイズ)が多く、そのままでは可視化や分析に
 使えなかった。
・データ連携の不足: 複数のデータを紐づける仕組みがなく、高度な分析に踏み出せていなかった。

■ 構築したデータ分析基盤の仕組み
これらの課題に対し、「集める」「整える」「見る・使う」の3ステップからなるパイプラインを
構築しました。

集める:
AWSのLambdaとEventBridgeを使用し、設備からのデータを自動的に収集する仕組みを実装しました。

整える:
収集した生データから欠損値などを取り除きます。特に、欠損箇所を前後の観測値から計算して埋める
「線形補完」をPythonで実装し、1分単位の値を算出できるようにしました。

見る・使う:
AWS Athenaを用いてSQLで検索・集計できる状態にし、最終的にはGrafanaによるダッシュボードで、
現場担当者がリアルタイムに近い形で状況を確認できる環境を整えました。

この取り組みにより、データが単に「ある状態」から「使える状態」へと着実に進化しており、
現在は工場全体への展開を見据えた土台作りと、品質管理のためのデータ紐づけ作業が進められています。
 

3. DXの本質:「人」のスキルとリスキリング

このプロジェクトを通じて得られた最も重要な洞察は、「DXはシステムの導入で終わりではなく、それを使う『人』のスキルが成果を左右する」という点です。

DXを成功させるには、以下の3つの力が必要です。
・業務理解: 現場の課題と必要なデータを正しく理解する力。
・データを読む力: 数字やグラフから意味を見出す力。
・技術を使いこなす力: 目的に応じて適切な技術を選び、活用する力。

この「人の変革」を支えるのがリスキリングです。リスキリングとは、単にツールが使えるようになることではなく、「デジタルを前提に考え、行動できる人材」になるための準備を指します。
 

4. 今日から自分ごとにするための「3つの力」

最後に、職種を問わず一人ひとりに求められる具体的なアクションとして、以下の3つの力が考えられます。

・課題に「気づく」力: 日々の業務の非効率に疑問を持ち、改善の余地を自ら発見する。
・変化に「動く」力: 完璧な準備を待たず、新しいツールや方法を小さく試行錯誤しながら取り入れる。
・人と「つなぐ」力: 部署を越えて情報を共有し、周囲を巻き込みながら変革を加速させる。

自分自身も、このプレゼン資料の構成をAI(Claude)と相談しながら組み立て、画像をAIで生成することで、短期間で資料を仕上げるという「小さなDX」を実践できました。
結論として、DXの主役はシステムではなく、現場でデータを見て、考えて、動く私たち一人ひとりであり、「現状をより良くしたい」という意思があれば、誰でも今日から始められるものです。

技術発表会を終えた社員の声

SAP基礎学習の現在地 ~資格学習から実案件参画まで~

SAPは未経験でのスタートでしたが、SAP基礎学習を通じて資格取得を目標に学習を進め、その後S/4HANA案件に参画しました。
事前に用語や業務フローを学んでいたことで、実案件でも画面操作だけで終わらず、「業務全体の流れ」を意識しながら理解を深めることができたと感じています。

実務に入って初めて気づくことも多くありましたが、基礎学習があったからこそ、OJTを学びとして受け止めることができました。
資格学習はゴールではなく、実務で成長していくための良いスタート地点だと感じています。
今回の経験を今後の学習や周囲への共有にも活かし、SAPに挑戦するメンバーや経験者が少しずつ増えていくと良いと感じています。

製造ソリューション事業部
K.A 入社3年目 20代 エンジニア

AWSの自動化について

今回はAWSのクラウドの再現性に着目して、CloudFormationによる構築の自動化をテーマに発表をさせて頂きました。今後も検証を重ねていき、新たなサービス創出へ繋げていければと思います。また、IBMiによるAWSの活用案としてS3を例にお話しさせて頂きました。SLJの強みであるIBMiにAWSを連携することで、新たなソリューションに繋がる発展性を秘めていると思います。

今回から会場が広くなりほぼ全社員が見守る中での発表となりました。その分緊張は増しましたが、そんな中でも各メンバーそれぞれで伝えたい内容はすべて伝える事ができました。準備段階では全員で集まる時間も取りづらく、限られた時間での検証、資料作りとなりましたが、メンバーそれぞれが役割を全うし、無事にやり遂げる事ができました。今後とも新たな技術の発掘に精進していきます。

第2サービス事業部
K.U 入社4年目 20代 エンジニア
T.I 入社1年目 20代 エンジニア

IBM BobとTOBiでILE-RPG開発の全自動化を試みる

今回は発表時間があらかじめ決められており、いつもより短くなったため、動画を見てもらう形にしました。
しかし、キャプチャー動画をただ流されても見る方は退屈だろうと思ったので、動きがない部分はカット、なるべく字幕を入れる、BGMや効果音を入れる等、工夫しました。
それでもRPGを知らない人には退屈だったかもしれません。
次の機会があれば、そのあたりも工夫したいと思います。

第1サービス事業部
T.S 50代 エンジニア

z/OSMF概要

今回、2回目の発表をさせていただきました。
前回に続きメインフレームで稼働する1プロダクトについてご説明させていただきました。
メインフレームも日々進化していることをご理解頂ければ幸いです。

第2サービス事業部
M.K 入社14年目 50代 エンジニア

PVSにおける保管方法の変化と対応

発表の中でも言及しましたが、今回のPVSタスク活動を通じて、物理テープが使用できない点を除けば、操作感や画面構成はオンプレミス環境と大きな差はないと感じました。
また検証結果を設定書や手順書として整理できたことは有益な成果であり、所要時間を体感として把握できたという意味でも意義があったかと思います。
今後はAWS S3との比較検証や、運用面の検討をさらに深めていきたいです。

第2サービス事業部
H.K 入社4年目 20代 エンジニア

工場IoTデータ基盤づくりから見えた、DXと私たちのリスキリング

発表時にもお話させていただきましたが、私はこれまでに今回のような資料を作成し大勢の前で発表するという経験がありませんでした。
この発表を通じてAIを駆使し作業を進めることでDXを自分ごととしてとらえることが出来、有意義であったと思っております。
今後も業務内外のいろいろな場面で皆さんと共に楽しみながらDXを進めていきたいと考えております。

事業推進本部 DX推進部
N.Y 入社1年目 40代 エンジニア

過去の開催レポート一覧