技術向上の取り組み

ソリューション・ラボ・ジャパンで年2回行っている、社内勉強会です。

過去の開催レポート一覧

社内勉強会:2020年12月18日開催レポート

ソリューション・ラボ・ジャパンで年2回行っている、社内勉強会です。部署や個人が持つ技術ノウハウや案件を通じて得た知見などを、発表を通じて参加者全員に共有することで、全社的な技術向上に努めています。
前回に引き続き今回も、新型コロナウイルスの感染リスクに配慮して、オンラインでの開催となりました。Zoomを活用して社内のメンバーが密集することなく受講できる仕組みを取り入れました。

当日のプログラム

  • 各発表に質疑応答時間を含む

発表内容

開始の挨拶

事業部長 森原 達夫

冒頭に事業部長・森原が、コロナ禍かつ年末の多忙な時期であるにも関わらず、12回目となる技術発表会が開催できたことについて、感謝の言葉を述べました。
次に、仕事や自己研鑽で培ったスキルやノウハウを社内共有することで、組織全体の技術力向上に役立てたい、という技術発表会の意義について改めて言及。集中して聴講することで、ぜひ自身のスキル向上やお客様への貢献に活かしてください、と参加者に伝えました。

アジャイル開発について本で読んだので紹介します

ソリューション事業部 A.A 入社5年目 20代 男性エンジニア

最初の登壇者A.Aは、会社として取り組むことにしたアジャイル開発について、書籍から得たノウハウを発表しました。
そもそもアジャイル開発が注目されている背景には、プロジェクトの炎上を避けたいというお客様や開発者の問題意識があると分析。炎上は、どのプロジェクトにも起こりえる多様な変更が引き金となることが多いです。アジャイル開発とは、こうした変更に強い開発手法といえます。
アジャイル開発では、分割した機能ごとに、約1~2週間で設計・開発・テストして動くものを提供する、というサイクルを繰り返します。これには分析・設計・実装・テストができる人がチームを組み、最初から最後まで関わることが必要です。また、スケジュールや見積もりも変更があるごとに変化します。
お客様の了承や適任メンバーのスケジュール確保、素早い対応を続けることによる疲労など、アジャイル開発に対応するためのハードルは低くありません。しかし、お客様の期待に添うような、変更に強い納品物を作りやすくなります。ぜひ一度、社内プロジェクトからアジャイル開発を実践してみたい、と抱負を述べて発表を終えました。

intra-mart機能紹介(既存機能+IM-bloomMaker)

ソリューション事業部 I.M 入社2年目 20代 男性エンジニア

ソリューション事業部 T.Y 入社2年目 20代 男性エンジニア

次にI.MとT.Yが、ワークフロー機能を中心としたシステムプラットフォーム「intra-mart」の既存機能と、新機能IM-bloomMakerについて紹介しました。
前半はI.Mからintra-martの基本機能を紹介。申請~承認の処理者と処理内容を定義してワークフローを作成するIM-WorkFlow、登録済みの処理を結び合わせてビジネスロジックを作成するIM-LogicDesigner、イベント処理をJavaScriptなどで実装できるIM-FormaDesignerについて概要を説明し、デモを披露しました。
後半は、T.Yが新機能IM-bloomMakerを紹介。画面作成に特化していて、CSSを独自に定義できるため、IM-FormaDesignerよりも自由度高くアプリ画面を作成できます。しかし、まだリリースから間もないため、まだIM-FormaDesignerのほうが使いやすさを感じる人が多いかもしれません。
再びI.MからIM-bloomMakerを利用したアプリ開発手順について説明し、発表を締めくくりました。

食品製造会社A社様向けILE RPG講習実施報告

ソリューション事業部 S.T 入社15年目 40代 男性エンジニア

長年IBM i(AS/400)を使ってきたA社の情報システム部門は、若手の技術者にRPGを勉強させて、自社のシステムの保守を任せたいと考えていました。そのため、プロの正しい知識を教育してほしい、という依頼があり、RPG講習を実施したのです。
講習テキストは「Programming in ILE RPG」という英語の書籍を、翻訳して作成しました。この書籍ではRPGソースコードが完全フリーフォーマットで書かれているため、RDiを使用したかったのですが、お客様からPDM/SEUも覚えたいという要望があり、今回はPDM/SEUを使用して完全フリーフォーマットRPGのコーディングを行いました。
講義内容には、IBM iのデータベース用語やILE RPGの仕様書コードの説明のほか、SEUでまとめてインデントを設定する方法や素早く行をコピーする方法も盛り込みました。新型コロナウイルスの影響で延期や期間短縮もありましたが、A社の若手技術者にはしっかりと勘所を伝えることができました。
最後に、英語テキストの翻訳ツールを使った日本語翻訳の難しさを振り返り、発表を終えました。

生産管理システムの動向

ソリューション事業部 M.Y 入社1年目 50代 男性エンジニア

M.Yは、生産システムの動向について発表しました。
今は国が提唱するSociety5.0にもあるように、IoTやAIなどの革新的な技術による超スマート社会が実現しようとしています。その根幹を成す技術が、リアル空間にある情報をIoTなどで集め、そのデータを元にサイバー空間でリアル空間を再現する技術、デジタルツインです。
例えば製造業の場合は、リアルの生産環境と同様のラインをサイバー空間に構築することで、シミュレーションが容易になり、生産計画や効率化へも活用しやすくなります。設備保全やリスク軽減も実現することができます。こうした進化により、新しいビジネスモデルがさまざまな企業で確立されつつあります。
その他の最新IT技術として、アップロードした3Dデータで製造可否を判断し、即時見積もりと最短出荷に対応する部品調達サービス「meviy」。ヘッドマウントディスプレイ方式の拡張現実ウェアラブルコンピューター「HoloLens」。教育で利用されることを想定して制作されたシングルボードコンピューター「Raspberry Pi」の3つを紹介。最後にデータは21世紀の石油であり、データを制するものが将来を制する、と強調して発表を締めくくりました。

UiPathとIBM Watsonを活用した「SLY管理本部が取り組む 画像認識+RPA」

ソリューション事業部 W.E 入社3年目 20代 女性エンジニア

ソリューション事業部 O.S 入社1年目 20代 男性エンジニア

ソリューション事業部 A.A 入社1年目 20代 女性エンジニア

ソリューション事業部ではRPAの推進・活用のため、管理本部と連携してピックアップした2つの社内業務を自動化し、実績を作ることにしました。
1つは、応募者から送られる履歴書PDFの内容を抜き出して、1つのExcelに集約する作業の自動化です。求人サービスごとに履歴書の書式が異なるため、まず書式ごとに履歴書を分ける必要があります。開発にはUiPathとIBM Watsonの画像認識AIサービスを使用しました。この2つの連携にはNode-REDを活用しています。
開発は完了し、履歴書PDFを所定のフォルダに入れてRPAを起動すると、PDFを画像認識し求人サービスごとのフォルダに自動で振り分ける様子を、デモで披露しました。
もう1つは、社員が1年に1度提出する目標設定シートから、受講予定の研修を集約する作業の自動化です。この開発にはUiPathを使用しました。こちらも、複数ファイルを順番に開き、必要項目のセルから値を読み取り転記する様子をデモで披露しました。
こちらの実施効果としては、1件あたりの処理時間が3分から2.4秒に短縮でき、全社員の処理を考えると約7時間の工数削減になることがわかりました。現場である管理本部から、ミス防止や心理的負担の軽減効果を感じているというコメントも紹介されました。

チャットボット&RPA連携の試み

ソリューション事業部 H.Y 入社2年目 20代 女性エンジニア

ソリューション事業部 U.T 入社2年目 20代 男性エンジニア

ソリューション事業部 O.S 入社1年目 20代 男性エンジニア

ソリューション事業部 A.A 入社1年目 20代 女性エンジニア

先日、某食品系グループのシステム会社S社から、チャットボット「LOOGUE」を使用して、ヘルプデスク業務を改善できるか検証してほしいと依頼がありました。そこで、文章検索を可能にし、古いFAQをすぐに削除可能にすることで、ユーザーへの回答時間の短縮に成功。案件としては無事に終了しました。
しかし、この開発期間中にさらなる効率化の可能性を感じ、新たなご提案につなげる目的で、独自に開発を始めました。それが、チャットボットとRPAの連携です。チャットボットから受け取った情報を、RPAで規定の書類に転記し、担当者にメールで送付するツールの開発に取り組みました。
開発したのはIBM Watsonを活用して、チャットボットで得た情報をNode-REDに送信し、Node-REDからUiPathに指示。情報をExcelファイルに転記して、担当者にメールする仕組みです。実際に稼働する様子をデモで披露しました。
最後に、今回のような取り組みを今後も積極的に続けていきたいと抱負を述べ、発表を終えました。

怒涛の自加工入力改善!!

ソリューション事業部 S.T 入社10年目 40代 男性エンジニア

食品製造会社のM社では、残業時間の超過が問題視されています。中でも自加工業務部門では、内部統制によりExcelの自加工入力書を作成した後で、同じ内容を基幹システム(IBM i《AS/400》)に入力していて、二重登録が発生していました。今回は残業時間を削減するため、二重登録を直接連携できるようにする仕組みを開発しました。
具体的には、自加工入力書のExcelファイルに入力した内容をそのままIBM i(AS/400)にデータ登録する機能と、単価が確定したタイミングで伝票を確定する機能の開発です。併せてExcel側でも、品名や作業区分などをIBM i(AS/400)から自動取得する機能や、伝票ナンバーと社内ロットを自動反映する機能を実装しました。発表会では、開発した仕組みが実際に稼働する様子をデモで披露しました。
今回の開発により、情報登録にかかっていた時間を大幅に軽減できました。ある1部門の3カ月間の集計ですが、1つの伝票入力に5分かかるとした場合、1カ月で92~155時間の短縮効果が得られたのです。最後に、お客様にも大変喜んでいただけたことを報告し、発表を締めくくりました。

総評

(代表取締役社長 内野 武美/事業部長 森原 達夫)

私たちのような会社は今後ますます、その価値が問われるようになると思います。お客様と一緒になって何ができるか、という部分がSDGsを含めて重要になるでしょう。逆にその役目を担えなければ、私たちの価値は失墜してしまいかねません。
その意味で、今回の発表会を聴講して、私たちの組織としての技術力が高いレベルにあることを改めて自覚できました。皆さんのことをとても誇らしく思います。今日は良い発表をありがとうございました。また次回の発表会を楽しみにしています。(内野)

登壇者・参加者・企画運営担当者のみなさま、本日はお疲れ様でした。アジャイル開発については、ハードルは高いかもしれませんが、尻込みしていてはお客様から見放されてしまうかもしれません。何が何でもアジャイルではなく、適材適所で良いと思います。お客様の満足が得られるよう、引き続き研究をお願いします。
今回紹介していただいたAIやRPAはもちろんですが、ExcelとIBM i(AS/400)でお客様の残業削減を実現したことも、まさにDX(デジタルトランスフォーメーション)だと思いました。
言われたものを作り納めることも大事ですが、お客様に提案して一緒に作る「共創」が、今後は私たちに求められる役割になるはずです。強みを増やしていくことで、ぜひ私たちの価値を高めていきましょう。(森原)

技術発表会を終えた社員の声

資料作成のためにさまざまな記事を読み、生産管理システムという狭い範囲で物事を考えていると、今後社会に取り残されてしまうのでは、と改めて考えさせられました。今回登壇したことが、自分の今後のロードマップを見直す良い機会となりました。

ソリューション事業部 M.Y 入社1年目 50代 男性エンジニア

「社内業務の自動化」を題材に、RPA・画像認識になじみのない方にもイメージしてもらいやすい発表を心がけました。弊社で実際に使用される応募履歴書、人事考課シートなどの「人の目で確認が必要な作業」を自動化するにあたって、要件整理、作業工程の洗い出し、業務改善シミュレーション値を示すことで、改善によるBefore→Afterが伝わるよう努めました。昨年の反省を踏まえ、事前準備をしっかりできたため、当日はスムーズに発表することができたと思います。

ソリューション事業部 W.E 入社3年目 20代 女性エンジニア

ただ資料をそのまま読み上げるだけではなく、脱線して話題を「具体的な使いやすさ」などにも広げることで、勉強会に参加されている方に聞いてもらえるようなところを心がけました。発表するかたわら運営も行っていたので、質問のとりかたや時間配分、休憩などに苦労しました。

ソリューション事業部 I.M 入社1年目 20代 男性エンジニア

簡潔で分かりやすい発表を心がけた結果、ちょうど15分に収めることができました。私はチーム発表のまとめ役でしたが、メンバーの進捗管理がうまくできず…。次回は適宜MTGの場を設けて、お互いの状況を共有し、より良い発表にしたいと思います。

ソリューション事業部 H.Y 入社2年目 20代 女性エンジニア

関連ケーススタディ・ソリューション

今回の技術発表会と関連するサービス・ソリューションをご紹介します。

関連サービス・ソリューション

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